はじめに


動機

2007年、エコツーリズム推進法が制定されたのを切っ掛けに、「エコツアー」や「アニマルウォッチング」と言った言葉を日常的に聞くようになりました。現在では、雄大な自然や動物の多様な姿を観察する事は、誰もが楽しめる遊びとして広く認知されています。これまで一部の人の楽しみだった自然観察が国民的レジャーとして普及したのは、日本では初めての出来事と言えるでしょう。

また、カメラや絵筆、コンピュータなど、創作の為のメディアがこれほど普及した時代も、これまでありませんでした。今では多くの人たちが、写真を始めとする様々な表現で、自然を見た記録や感動を形(作品)にする事を楽しんでいます。

作品を持てば、同じ興味を持つ人たちに見てもらって、感動を共有したいと思うのは、自然な気持ちです。
ですが現在、アマチュアはもちろんの事、プロですら作品を人に見てもらうためには、少なくない努力が必要です。ハイビジョン動画の様に、作品によっては発表する媒体すらない場合もあります。

私の周りにも、個性的、魅力的な作品を持っている数多くの友人がいます。しかし、それを知っているのは限られた人だけです。
自然観察が一般化した今、同じような事が、きっと多くの場所で起こっているのだろうと思います。発表する場が無いばかりに、一体どれくらいの作品が人知れず世の中に眠っているのか。中には失われつつある自然の記録、メッセージとして重要なものもあるはずです。 これらの作品を埋もれたままにしておくのは、あまりにも残念です。

メディアやジャンルに囚われず、誰もが作品を発表できる場が欲しい。優劣を競うのではなく、情報と感動を共有するための場が欲しい。それがこのイベント、「ネイチャーマーケット」を企画した切っ掛けでした。

 

ネイチャーイメージスライドショークラブからネイチャーマーケットへ

ネイチャーマーケットに先立って、2008年12月と2009年3月に「ネイチャーイメージスライドショークラブ」と言うイベントを開きました。こちらは有志によるスライドショーを中心に、自然や動物の写真を持ち寄って楽しむと言うものでした(詳しくは過去の記録をご覧ください)。
小さな拙いイベントでしたが、毎回会場が一杯になり、また参加者から概ね好評を頂いて、イベントの需要を肌で感じる事が出来ましてた。

そこで、次回からはイベントの扱う範囲を広げ、写真以外の作品も積極的に受け入れる事にしました。また、作品を見せるだけでなく、販売する事も可能になりました。
その結果、スライドショークラブと言う言葉ではイベントの内容を表現出来なくなり、名称をネイチャーマーケットと改めました。ネイチャーイメージスライドショークラブをご存知の方は、路線変更ではなく、内容を拡充したものとお考えください。

自然や動物に関する作品なら、どんなものでも受け入れるイベント、それが「ネイチャーマーケット」です。

 

全てのジャンルを扱う事の意味

自然や動物を扱うマーケットそのものは巨大ですが、それぞれのジャンルは細分化、尖鋭化の傾向があり、横との交流が希薄です。少数のマニアしかいないジャンルも少なくありません。
細分化したジャンルは小さなマーケットしか持たず、社会への発言力を持てません。例え価値のある活動をしていても、社会に認知されなくては発展も出来ず、縮小する一方です。

これらを改善するには、それぞれのジャンルを知る手がかりとなる、総合的なメディアが必要です。ネイチャーマーケットはその役目を果たしたいと考えています。
一つ一つのジャンルは小さなマーケットしか持たなくても、それらが集まる事で規模を大きくすれば、 社会の注目を集める可能性は高まります。単独では出会えなかった人たちにメッセージを伝えられる事は、それぞれのジャンルにとって大きなチャンスになるはずです。他ジャンルとの交流の中で、新しい発見や活動が出来るかもしれません。

ネイチャーマーケットは全てのジャンルを扱う事で、その規模の大小に関わらず、等しく社会にメッセージを発信できる機会を提供したいと考えています。

 

このイベントが様々な人と作品を結び付けて、新たな作品を生み出す切っ掛けになる事、自然へのさらなる関心を持つ切っ掛けになる事を期待しています。

皆様のご参加を心よりお待ちしています。

ネイチャーマーケット代表:河合晴義

 

 

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